公開当時のURL : http://home10.highway.ne.jp/ejiri/raimon-2.htm
江尻憲和ドラムダイアリー
不許複製・禁無断転載
Copyright© 2000 Norikazu Ejiri All rights reserved
「雷文」つき中華どんぶりコレクション
子供のころからラーメンのどんぶりについている
どんぶりを集めてみると
目玉から色がはみ出てたりしておもしろいです。
めんどくさくなって荒っぽく仕上ったとこなど
ラーメンどんぶり博物館 館長 : 江尻憲和
※許可なく文章、写真の転載を禁じます |
<おしらせ>
※このコンテンツ「ラーメンどんぶり博物館」は2000年前後にネットマーケティングの実験として公開しておりました。マスコミ取材も多くあり、東京新聞コラム、NHK-BSの出演、はたまた町興しのディレクション依頼(ラーメン祭り等のプロジェクト)までありました。しかしながら半分はおふざけなシャレなのと、有料の貸出依頼やら、高額な予算(ギャラ発生)など話が大きくなり、恐ろしくなり公開中止に(笑)
このたびデータが見つかりましたので、取り急ぎ再公開いたします。
江尻憲和 館長記
江尻憲和ドラムダイアリー
不許複製・禁無断転載
Copyright© 2000 Norikazu Ejiri All rights reserved
雷文つき中華どんぶりコレクション
双喜模様と単色雷文
ラーメンを食べたあとに喜びがふたつ現れる仕掛けになっていてとてもおめでたいどんぶりです。ふちどりは単色の雷文でなかなシックな装いです。
古いものでラーメン店の銘入りでない物は珍しいようです。
あっとお背中の刺青
上のどんぶりの裏面です。
表のシンプルさとは対照的に裏はすごい派手です。
三色の鳳凰が一対と緑色の龍がこれまた一対。
渡世人のような迫力です。「おうおう、このイレズミが目にへーんねーのか?」
食い終わってびっり!?
三色雷文でございます
あな、なつかしや、これぞラーメンどんぶり典型ですね。お湯だけで作るチキンラーメンを食べると雰囲気がでるんです。
巷の店でこのどんぶり見ることがあまり無くなり、残念に思っている人が多いのではないでしょうか。
プロポーションが素敵
合羽橋の店主に伺ったところすでにこういったタイプのどんぶりは作っていないそうです。
これは会津若松の、とある瀬戸物屋で発見したものです。それにしても美しいお姿でございます。皆さんのお宅にもあるかも?
夏は冷やし中華です
お気に入りの平皿です。
これは近所のディスカウント屋で見つけました。
「ラーメン用は、売れちゃったよん」と言われてすごくがっかりでした。
やきそばを入れたり中華まんをのせたり冷やし中華も・・・とても似合いす。
4色雷文小皿
なんで雷文が4色なんでしょうか?標準的な大きさの餃子が3個すっぽり入るくらいのサイズです。
取り皿として最高にかわいいデザインで気品さえ感じてしまいます。
まんなかの龍はマンガのイラストみたい!?。
かわいいスープ鉢
実家の母親が50年くらい前に西新井大師の縁日で買ったビンテージな双喜小鉢です。
「叩き売り」系なのでゆがんでいます。でもそのあたりが景色となって愛着がわいてきます。ご飯をよそってもOKです。
餃子の行水
雷文だけがアクセサリーのシンプルな小皿。
雷文の色合いが他の物と少し違って微妙なトリコロールをかもしだしています。小型餃子専用でしょう。昔は餃子が小さかったと思います。
マイセンもびっくり! 「ギョーザおまちどーさま!」なんて声が聞こえてきそうなお皿です。
ドイツに行った時マイセンの小皿を買ったのですが、比べてみるとやっぱりこの雷文印判中皿のほうがイカしてます。これ500円だし・・・
豪華絢爛チャーハン台
全身イレズミって感じですかね。このごろ古伊万里なんかも巷では流行っているようですが100年もしたらこんな中華ものがもてはやされていたりして。
雷文部分はたぶん転写だとおもいます。
中華丼でしょうかね
この「清峰」という銘の雷文シリーズは合羽橋や喜多方のラーメン館で手に入ります(平成初期当時)もう職人さんが一人しかいないらしく、雷文、鳳凰、龍を描くのは手間がかかりすぎてもう作れないとのことです。
単色雷文湯飲み大会
雷文印判ズレまくり(笑)小ぶりな湯飲みでお気に入りです。
手押しの印判は一周するとどこかでつじつまが合わなくなります。どこで帳尻を合わせているか観察すると面白いです。写真ではそのインチキ加減が見て取れます(正面)
ふた付き三色雷文支那画丼物(New!)
今回の再編集で偶然発見された(台所の棚の奥にて)くりから紋紋のふた付き雷文どんぶり。底印は無い。かつ丼なんかいい感じだとおもうんですが、昭和の時代はたぶんかつ丼って「すごいごちそう」だったんだと思います。だからこんなに豪華な丼だったんです。これだったら食べた後にすぐ「オレがやりました......くぅ(泣)」ってな感じで自白間違いなしかと思います。(取調室のお話し)
江尻憲和ドラムダイアリー
不許複製・禁無断転載
Copyright© 2000 Norikazu Ejiri All rights reserved
日本製かはたまた中国か?
研究がまだ進んでいません。
手元にあるものの刻印はこの5種類です。耐酸(190)とか三九八とは
なにを意味するんでしょうか?
あるベーシストに見せたら「三九八」って逆さまに読むとヤクザだぜ・・・と貴重なご意見をいただきました。
転載時の追記 :サイトの公開時いろいろな方からメールにてご教示いただきました。ほぼすべてが日本製(美濃焼)中国陶磁器の時代物を装ったものが多く、底印は単なる「見栄え」のようです。対酸の表記は工業的な数値で食器としての安全担保でしょう。絵付け材の鉛毒の規制で衰退したとのご指摘もあり。
江尻憲和ドラムダイアリー
不許複製・禁無断転載
Copyright© 2000 Norikazu Ejiri All rights reserved
雷文とは?
読んで字の如し。かみなりの稲妻をあらわしています。古代中国の土器や青銅器にも見られるもので、右巻きと左巻きが対になり、陰陽の形態をとっています。
かみなりは天の意志であり、陰陽の和するところに雷が鳴り雨が降る。というわけで、けっこう呪術的なパワーを感じさせるシンボルといえるでしょう。でもなんでそんなオドロオドロしいどんぶりでラーメン食ってるんでしょうかね??
双喜模様とは?
あんまり調査が進んでませんが「よろこび」がふたつ並んでいるんだから「強力におめでたい」ということになるんでしょうか?ラーメン屋さんの入り口にもよく見られますね。
龍とは?
中国の長い長い歴史の中で水の神様として信仰されてきた謎の架空の怪獣?その龍が腹を叩くと雷が起こると考えられていたりして、雷文との相性もよござんす。昔は皇帝の紋章として使われたもので、一般庶民には許可されていなかったようです。その後5本指の龍の図案のみが一般の生活でも使われるようになりましたが、皇帝専用の龍の紋章は6本指のそれであったと言われています。
鳳凰とは?
京都の平等院鳳凰堂などでも有名なこの鳥(?)はたいへん高貴なイメージを持っています。中国では聖天子の治政の兆しとして出現するといわれています。手塚治虫大先生の「火の鳥」という壮大なマンガ叙事詩に「永遠の生命」の象徴」として登場する例の鳥は、この鳳凰がモデルになっているんじゃないでしょうか。
江尻憲和ドラムダイアリー
不許複製・禁無断転載
Copyright© 2000 Norikazu Ejiri All rights reserved
<縄のれん ビンテージどんぶり>
福島県双葉郡浪江町『縄のれん』髙桒紀元(タカクワ ノリモト)様より寄贈いただきました。なみえ焼きそばで有名なお店です。(2018年現在は残念ながら廃業とのこと。一度行って焼きそばを食したかったです)
昭和30年代を感じさせる雷紋どんぶり銘入りで歴史的逸品です。
ちょっとサイズが小さめです。ちょうど『チキンラーメン』がぴったりといったところでしょうか。
電話番号が(5)と4桁なのがお店の歴史を感じるところです。
※髙桒さま、どうもありがとうございました。大切に保存いたします。
江尻憲和ドラムダイアリー
不許複製・禁無断転載
Copyright© 2000 Norikazu Ejiri All rights reserved
厨房用品の問屋街として有名なかっぱ橋にある(株)小松屋さんの本 康二郎 (もと こうじろう)様よりラーメンどんぶりと雷紋について貴重な情報をいただきました。
どんぶりの歴史、元巨人軍『王選手』のエピソード、どんぶり裏のなぞ解きなど「なるほど~そうだったのか!」と納得です。
以下ご了解をいただきまして、紹介させていただきます。
(本さん、ご協力ありがとうございました!)
(株)小松屋さんHP ※ http://www.tctv.ne.jp/members/moto/
現在販売されている復刻版の雷紋どんぶり商品がたくさんあります。
らいもんどんぶり探している人はまずここにアクセス!お店にビンテージどんぶりの展示がありますよ~!
■ もとさんのどんぶり講座
『はじめまして、私合羽橋で瀬戸物の問屋を営んでいます本(もと)と申します。ホームページ拝見しました。そこで私が知る限りの雷紋に関しましてお役にたてるかどうかわかりませんが、一筆お書きします。』
■雷紋とは・・・??
『らいもん 雷門 雷紋 来門 来紋』 いろいろな書き方がありますがどれも間違いではありません。らいもん柄は中国から九州[佐賀有田]へと伝わり全国的に広まりました。有田焼の絵柄には頻繁にらいもんがデザインされた壺が見受けられます。更に中国からシルクロードをさかのぼりヨーロッパへと伝わりました。アールヌーボーが流行っていた時代に欧州では[特にフランス]らいもんをあしらった多くの家具や建造物が存在しました。
■ラーメンどんぶりの系譜
日本では終戦まもなく中国のらーめんと違った日本独自のらーめんが開発され、その際頻繁に利用されたのがらいもん丼だったそうです。業界用語では支那丼といわれます。形状は浅型、深型があり浅型は丸丼、深型は高台丼と分けられていました。
例えば当社のお得意さんの丼、紀州和歌山ラーメンまっち棒さんは支那絵丸6寸丼(浅型)東京の麻布ラーメンさんは支那絵高台65丼、、昭和の初めでは世界のホームラン王の王監督のお父上が当時墨田区本所で五十番というラーメン屋を営業してた時にも支那丼を使われてたそうで、王さんが小学生[本所小学校]の頃父上と当社へよく買いに来てました。(2年前に王監督と実際にお会いし当時の話しをしたら覚えててくれてお土産に当社の復刻版の支那丼を渡したら大変懐かしく喜んでくれました。
■耐酸とは…?
耐酸とは、当時支那丼に使われた釉薬は鉛を含んだ釉薬でした(鉛毒)人体に影響を及ぼすと言う事で、一時問題となり規制が厳しくなった為に、絵付け業界で耐酸を記した印を付けるよう指示されてたそうです。今で言うJISマークのような感じです。
番号は 398とか記してますが、これは絵付け屋さんの照会番号であります。絵付け屋によって番号が異なります。
■上の写真は小松屋さんの店頭にあるビンテージどんぶりです。メールでPHOTO送っていただきました。まだワタクシもお邪魔していませんので早く見たいなぁ~。うふ~ん、とにかくいい雰囲気ですね。
中央のモノは博物館にもあるタイプですが、白眉はその右にある「らいもん徳利と急須」これは噂に聞いていましたがとってもチャーミングな逸品だと思います。(ほ、欲しい…)
■左にある『大正時代』のどんぶりも形状が魅力的ですね。手元に江戸時代の伊万里焼で雷紋つきの湯のみがあるのですが、単色の一筆書きになっているところが似ています。印判ではなく手書きだったのでしょうか。
内側のどんぶりの雷紋をよく見ると、うまくつながっていないところがありますね。「あと一個書こうと思ったら、ありゃ~すこし足りないぞんにゃろ~、てやんでい、無理やりつめこんでつなげてやれ!」ってなことでしょうかね。
■うーん、それにしても雷紋中華徳利角型はかっこいい!
猪口はないのかしら?(コメント&つぶやき :江尻憲和 館長より 2005/03/03)
江尻憲和ドラムダイアリー
不許複製・禁無断転載
Copyright© 2000 Norikazu Ejiri All rights reserved
1. 雷文がついていること(三色雷文が基本。転写モノは不可)
2. 中華系のどんぶりまたは関係磁器製品(雷文古伊万里もあるが)
3. 古くて郷愁をさそうもの(1960年前後、現代モノはNG)
4. 日曜品で安いものを愛でる(1,000円以下が基本)
5. 店の銘が入っていないもの(寄贈品があります)
6. 雷文、鳳凰、双喜、龍、カラフル、美しいプロポーション
7. 手書きの着色で、いい加減なもの(いびつ、中古、すべてよし)
8. 地方のいまにも廃業しそうな瀬戸物屋を(失礼)発掘現場とする9. 売買、インベスメントで儲けないこと(無理だっての…)
10. 他人の家でねだらないこと(これちょうだいー、ダメー??)
11. 見るだけで使わない(大ウソ。実はガンガン使ってます)
12. 古いどんぶりを文化財として世間に認知させること(崇高!)
● 東京新聞のコラム「東京解剖図鑑/情熱」から取材いただきました。9月22日(水)の朝刊に掲載です。どんぶり持って「ニンマリ」のカラー写真つき。
●「日曜夜、NHK・BS2の番組『熱中時間 忙中”趣味”あり』のラーメン特集、「遙(はる)かなる麺の道」に出演いたしました。(2004/7/11放映、再放送未定)
どんぶりコレクターとして紹介されたのですが、コーナータイトルが「器の大きい男」なので笑えました。番組中に他のラーメン研究者の方が使っていた雷文どんぶりが現代モノの平鉢タイプで「おー、いい感じ」と感心しきり。どこで売ってるんでしょう?さっそく探してみます
江尻憲和ドラムダイアリー
不許複製・禁無断転載
Copyright© 2000 Norikazu Ejiri All rights reserved